赤ちゃんを授かりたいと思った時、性別を思い描くことはありませんか? 「男の子だったら活発でスポーツ万能な子に育ってほしい」「女の子だったら可愛いお洋服を着せて一緒にショッピングを楽しみたい」など、パパママになる前から夢は膨らみますよね。
近年、そんな夢を叶える「産み分け」が注目されています。産み分けとは、医学的な手法を用いて、生まれてくる赤ちゃんの性別をある程度コントロールすることです。
とはいえ、産み分けはデリケートなテーマ。倫理的な問題や、100%の成功が保証されないことなど、考慮すべき点も少なくありません。 この記事では、産み分けの方法、メリット・デメリット、費用、リスク、そして倫理的な側面まで、詳しく解説していきます。産み分けを検討している方はもちろん、「産み分けってそもそも何だろう?」という方も、ぜひ参考にしてください。
産み分けとは?
産み分けとは、生まれてくる赤ちゃんの性別を、自然妊娠よりも高い確率で希望の性別に近づけるための方法です。
人間の性別は、受精の際に精子から受け継ぐ性染色体によって決まります。X染色体を持つ精子と卵子が受精すると女の子、Y染色体を持つ精子と卵子が受精すると男の子が生まれます。 自然妊娠では、X染色体とY染色体の精子がほぼ同数存在するため、男女が生まれる確率はほぼ50%ずつです。産み分けでは、この確率を人為的に操作することで、希望する性別の赤ちゃんを授かる可能性を高めます。
産み分けに関する倫理的な問題
産み分けは、倫理的な問題も孕んでいます。特に、着床前診断による産み分けは、命の選別につながる可能性があるとして、議論の的となっています。
生まれてくる子供の性別を選択することは、性別に基づく差別や偏見を助長する可能性も懸念されています。例えば、「男の子は跡取り」「女の子は家事手伝い」といった固定観念が根強い社会では、産み分けによって特定の性別の子供が望まれる傾向が強まり、男女間の不平等がさらに深刻化する可能性も考えられます。
また、産み分けによって生まれた子供が、親の期待に応えられなかった場合、親子関係に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。子供は親の所有物ではなく、それぞれが個性を持った独立した人間です。産み分けによって生まれた子供も、他の子供と同様に、自分の性別や能力、興味関心に基づいて自由に人生を歩む権利があります。
さらに、産み分け技術が発展し、容姿や知的能力など、性別以外の要素も選択できるようになれば、倫理的な問題はさらに複雑化すると予想されます。
日本では、日本産科婦人科学会が、医学的な理由がない限り、着床前診断による産み分けを認めていません。これは、命の選別や性差別につながる可能性を懸念しているためです。産み分けを検討する際には、これらの倫理的な問題について、十分に考慮する必要があります。
産み分けの方法
産み分けには、いくつかの方法があります。それぞれにメリット・デメリット、費用、成功率などが異なるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。 主な産み分けの方法には、以下の3つがあります。
- タイミング法
- 人工授精
- 体外受精
タイミング法
タイミング法は、性交のタイミングを排卵日に合わせて調整することで、希望する性別の赤ちゃんを授かりやすくする方法です。 X染色体を持つ精子はY染色体を持つ精子に比べて寿命が長く、運動性が低いという特徴があります。そのため、排卵日の数日前から性交を控えることで、排卵日までにY染色体を持つ精子の数が減り、X染色体を持つ精子の割合が高まります。逆に、排卵日当日に性交を行うと、運動性の高いY染色体を持つ精子が卵子に到達しやすくなるため、男の子を授かる可能性が高まります。
タイミング法は、他の方法に比べて費用が安く、自宅で手軽に行えるというメリットがあります。しかし、成功率はそれほど高くなく、正確な排卵日を把握する必要があるため、基礎体温の測定や排卵検査薬の使用など、ある程度の知識と努力が必要です。
オルガスムスと産み分けの関係
女性が性交によって快感をおぼえてオルガスムスに達すると、子宮頸管から強いアルカリ性の液が分泌され、膣内が酸性からアルカリ性に傾くと言われています。
膣内は通常は酸性なので、女の子を希望する場合は女性がオルガスムスを感じないでセックスをしたほうが条件がよく、男の子を希望する場合は女性がオルガスムスをできるだけ感じたほうが条件が良いと言われています。
ピンクゼリーとグリーンゼリー
ピンクゼリー・グリーンゼリーとは、膣内の酸性度を人為的にコントロールする産み分け用のゼリーです。産み分けを希望する場合、膣内が酸性かアルカリ性かはとても重要になります。そこで考え出されたのが、酸性のピンクゼリーとアルカリ性のグリーンゼリーです。
このゼリーは、性交時に膣の中に入れて使うものです。性交による激しい運動を繰り返しても、化学変化を起こす可能性はまずありません。しかも、もともとの原料がビネガーやベーキングパウダーといった食物であるため、副作用の心配もなく、人体に害もありません。
人工授精
人工授精は、採取した精子を濃縮・洗浄処理した後、カテーテルを用いて子宮内に直接注入する方法です。タイミング法と同様に、排卵日に合わせて性交のタイミングを調整することで、産み分けの効果を高めることができます。 人工授精は、タイミング法よりも妊娠率が高く、自然妊娠に近い形で妊娠できるというメリットがあります。しかし、タイミング法と同様に、成功率は100%ではなく、費用もタイミング法よりも高くなります。
体外受精
体外受精は、卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。産み分けにおいては、着床前診断と組み合わせて行われることが一般的です。着床前診断とは、体外受精で得られた受精卵の染色体を検査し、希望する性別の受精卵を選んで子宮に戻す技術です。
体外受精は、産み分けの中でもっとも成功率が高い方法ですが、費用が高額で、身体への負担も大きいというデメリットがあります。また、倫理的な問題も指摘されており、日本では、医学的な理由がない限り、着床前診断による産み分けは認められていません。
その他の方法
リンカル
リンカルは、男の子の出産を希望する方向けのサプリメントです。リンカルに含まれるカルシウムは、Y精子が好むアルカリ性の体質を作るのに役立つと言われています。
産み分けの成功率
産み分けの成功率は、選択する方法によって異なります。
- タイミング法: 男の子を希望する場合60~70%、女の子を希望する場合50~60%程度と言われています。
- 人工授精: タイミング法とほぼ同じ程度の成功率です。
- 体外受精: 着床前診断と組み合わせることで、ほぼ100%の確率で希望する性別の赤ちゃんを授かることができます。
各方法のメリット・デメリット
方法 | メリット | デメリット | 成功率 | 費用 |
---|---|---|---|---|
タイミング法 | 費用が安い、自宅で手軽に行える | 成功率が低い、正確な排卵日の把握が必要 | 男の子:60~70%<br>女の子:50~60% | 数千円程度 |
人工授精 | 妊娠率が高い、自然妊娠に近い | 成功率は100%ではない、費用が高い | タイミング法とほぼ同じ | 数万円~10万円程度 |
体外受精 | 成功率が最も高い | 費用が高額、身体への負担が大きい、倫理的な問題 | ほぼ100% | 50万円~100万円程度 |
産み分けの費用は?
産み分けの費用は、選択する方法によって大きく異なります。
- タイミング法: 費用はほとんどかかりません。基礎体温計や排卵検査薬を購入する場合は、数千円程度です。
- 人工授精: 1回あたり数万円から10万円程度が一般的です。
- 体外受精: 1回あたり50万円から100万円程度かかることが多いです。着床前診断を行う場合は、さらに費用が加算されます。
産み分けのリスクは?
産み分けに伴うリスクは、選択する方法によって異なります。
- タイミング法: 身体的なリスクはほとんどありません。
- 人工授精: 感染症や卵巣過剰刺激症候群などのリスクがあります。
- 体外受精: 卵巣過剰刺激症候群、多胎妊娠、流産などのリスクがあります。
病院・クリニックの選び方
産み分けを検討する際は、産婦人科医に相談し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。病院やクリニックを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 産み分けの実績: 産み分けの実績が豊富な病院を選ぶようにしましょう。
- 医師の経験: 経験豊富な医師が在籍している病院を選びましょう。
- 費用: 費用の明確な病院を選びましょう。
- サポート体制: カウンセリングなど、サポート体制が充実している病院を選びましょう。
まとめ
産み分けは、希望する性別の赤ちゃんを授かる可能性を高める方法ですが、100%の成功が保証されているわけではありません。また、費用やリスク、倫理的な問題など、考慮すべき点も少なくありません。 産み分けを検討する際は、メリット・デメリットをよく理解し、パートナーとよく話し合った上で、慎重に決断することが大切です。
この記事で紹介した情報が、産み分けについて考えるための一助となれば幸いです。 より詳しく知りたい方は、医療機関に相談したり、関連書籍やウェブサイトで情報収集することをおすすめします。
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