毎日飲む水、水道水とミネラルウォーター、どちらがいいか迷ったことはありませんか? 私たちにとって身近な「水」ですが、実は、水の種類によって、健康への影響やコスト、環境への負荷も大きく変わってきます。
この記事では、水道水とミネラルウォーターを様々な角度から徹底比較します! それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説し、あなたにぴったりの水選びをサポートします。
水道水って実際どうなの?
日本の水道水は、世界でもトップクラスの安全性を誇ります。 水道法に基づき、なんと51項目もの水質基準が設けられており、定期的な検査によって厳しく管理されているのです。
水道水の安全性
水道水の安全性を確保するために、様々な取り組みが行われています。
- 水源の保護: 水道水の水源となる河川や湖沼の水質を守るため、森林の保全や工場排水規制など、様々な対策が取られています。
- 浄水処理: 水源から取水した水は、沈殿、ろ過、消毒などの工程を経て、安全な水に浄化されます。
- 水質検査: 浄水場から供給される水は、定期的に水質検査が行われ、水質基準を満たしているか確認されています。 検査項目には、大腸菌や一般細菌などの微生物、鉛やヒ素などの有害物質、色や濁りなど、様々なものが含まれます。
水道水の成分
水道水には、健康に欠かせないミネラル分が含まれています。 主なミネラル成分としては、カルシウムやマグネシウムなどがあります。 ただし、地域や水源によって含有量は異なります。 山梨県中央市の上水道事業(田富地区)を例に挙げると、1リットル当たりのナトリウムは7ミリグラム、蒸発残留物(カルシウム、マグネシウム、カリウム等のミネラル分等)は138ミリグラムとなっています。
また、水道水には殺菌のために塩素が添加されています。 塩素は、水道水を安全に保つために重要な役割を果たしています。 具体的には、コレラや赤痢などの感染症を引き起こす病原菌を殺菌し、水道水を安全に供給するために必要不可欠なものです。 しかし、塩素特有の臭いが気になる方もいるかもしれません。
水道水のメリット
- 安全性が高い: 厳しい水質基準をクリアしているので、安心して飲める。
- コストが安い: ミネラルウォーターに比べて圧倒的に安い。
- 環境にやさしい: ペットボトルゴミが出ないため、環境負荷が低い。
水道水のデメリット
- 塩素の臭いが気になる場合がある: 塩素の臭いが苦手な方は、浄水器を使用したり、一度沸騰させたりすることで臭いを軽減できます。
- ミネラル分の含有量が地域によって異なる: ミネラル分を多く摂取したい場合は、ミネラルウォーターを検討するのも良いでしょう。
ミネラルウォーターってどんな水?
ミネラルウォーターは、地下水や湧水をろ過・殺菌処理したもので、様々な種類があります。 大きく分けると、軟水と硬水があり、それぞれに特徴があります。
- 軟水: 口当たりがまろやかで、日本人に馴染み深い水です。 ご飯を炊いたり、お茶やコーヒーを入れたりするのに適しています。
- 硬水: ミネラル分が豊富で、健康や美容に良いとされています。 特に、カルシウムやマグネシウムは、骨や歯を丈夫にしたり、便秘を解消したりする効果が期待できます。
ミネラルウォーターの水源
ミネラルウォーターの水源は、地下水だけではありません。「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」によると、ミネラルウォーター類の源水となる水は、以下の7種類に分けられます。
- 地下水: 地下にある水。
- 湧水: 地下水が自然に地表に湧き出したもの。
- 鉱泉水: 地下水の中で、特定の成分を一定量以上含んでいるもの。
- 温泉水: 地下水の中で、温度が25℃以上、または特定の成分を一定量以上含んでいるもの。
- 伏流水: 河川の水が一時的に地中に伏流し、再び地表に現れたもの。
- 湖沼水: 湖や沼の水。
- 雨水: 雨水を集めたもの。
これらの水源によって、ミネラルウォーターの成分や味が異なってきます。
ミネラルウォーターの種類
ミネラルウォーターは、水源や処理方法によって、以下のように分類されます。 市販のミネラルウォーターを選ぶ際は、商品ラベルの品名を確認することで、どの種類に該当するのか分かります。
- ナチュラルウォーター: 特定の水源から採水された地下水で、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていないもの。 自然のままの味わいが楽しめます。
- ナチュラルミネラルウォーター: 特定の水源から採水された地下水で、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていないもの。 ただし、ミネラル分の調整など、一部の処理が認められています。
- ミネラルウォーター: ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、ミネラル分の調整などを行ったもの。 ミネラル分の含有量を調整することで、飲みやすさや機能性を高めています。
- ボトルドウォーター: 上記3種類以外のもので、水道水をろ過・殺菌処理したものなども含まれます。
ミネラルウォーターのメリット
- ミネラル分が豊富: 健康や美容に良いとされるミネラル分を摂取できる。
- 種類が豊富: 軟水、硬水、炭酸入りミネラルウォーターなど、好みに合わせて選べる。
- 持ち運びに便利: ペットボトルに入っているので、外出先でも手軽に水分補給ができる。
ミネラルウォーターのデメリット
- コストが高い: 水道水に比べて価格が高い。
- 環境負荷: ペットボトルゴミによる環境問題がある。 ペットボトルの製造や輸送には多くのエネルギーが使われ、二酸化炭素が排出されます。 また、使用済みのペットボトルが適切に処理されないと、環境汚染につながる可能性があります。
水道水とミネラルウォーター、結局どっちがいいの?
目的や状況に合わせて、水道水とミネラルウォーターを使い分けるのがおすすめです。
項目 | 水道水 | ミネラルウォーター |
---|---|---|
コスト | 安い | 高い |
環境負荷 | 低い | 高い |
安全性 | 高い | 高い |
味 | 塩素の臭いが気になる場合がある | 種類によって異なる |
ミネラル分 | 地域によって異なる | 種類によって異なる |
利便性 | 自宅で手軽に利用できる | 持ち運びに便利 |
その他 | 軟水 | 軟水・硬水・炭酸入りミネラルウォーターなど |
健康面
普段の水分補給には、水道水で十分です。 ミネラルウォーターは、特定のミネラル分を積極的に摂取したい場合や、スポーツドリンクの代わりに利用するのも良いでしょう。 例えば、ダイエット中は硬水のミネラルウォーターを飲むと、マグネシウムの働きで便秘解消効果が期待できます。 また、服薬時は、ミネラル分の影響を受けにくい軟水の水道水が適しています。
コスト面
コストパフォーマンスを重視するなら、水道水がおすすめです。 ミネラルウォーターは、毎日飲むとなるとかなりの出費になります。 1.5リットルのミネラルウォーターを1本100円とすると、1年間で36,500円の出費になります。 一方、水道水は1リットルあたり約0.2円なので、1年間で730円程度です。
環境面
環境への影響を考えると、水道水の方が優れています。 ミネラルウォーターは、ペットボトルゴミの処理問題や、製造・輸送にかかるエネルギー消費などが課題となっています。 マイボトルを持ち歩き、水道水を飲む習慣をつけることで、環境負荷を低減することができます。
まとめ
水道水とミネラルウォーター、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った水を選びましょう。 普段使いは水道水、外出時や特別な目的がある時はミネラルウォーターと、使い分けるのも良いですね。
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