情報処理技術者試験は、経済産業省が認定する国家試験で、情報処理技術者としての知識・技能が一定水準以上であることを証明するものです。情報システムを構築・運用する技術者から、情報システムを利用するエンドユーザーまで、ITに関係するすべての人が活用できる試験として実施されています。特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く総合的に評価しています。
試験の目的
情報処理技術者試験は、以下の目的で実施されています。
- 情報処理技術者に目標を示し、刺激を与えることによって、その技術の向上に資すること。
- 情報処理技術者として備えるべき能力についての水準を示すことにより、学校教育、職業教育、企業内教育等における教育の水準の確保に資すること。
- 情報技術を利用する企業、官庁などが情報処理技術者の採用を行う際に役立つよう客観的な評価の尺度を提供し、これを通じて情報処理技術者の社会的地位の確立を図ること。
試験の種類
情報処理技術者試験は、レベル1~4の4段階のレベルに分けられ、12の試験区分があります。
レベル1は、ITパスポート試験で、ITを利用するすべての社会人を対象とした試験です。レベル2は、基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験で、ITエンジニアの登竜門といえる試験です。レベル3は、応用情報技術者試験で、レベル2よりもさらに高度な知識・技能が求められます。レベル4は、高度情報処理技術者試験で、ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験、システム監査技術者試験の8つの試験区分があります。
試験の難易度
情報処理技術者試験の難易度は、レベルによって異なります。レベル1のITパスポート試験は比較的易しい試験ですが、レベル4の高度情報処理技術者試験は、高度な専門知識・技能が求められるため、難易度は高くなります。
合格率は、レベル1のITパスポート試験が50%前後、レベル2の基本情報技術者試験が40%前後、レベル3の応用情報技術者試験が20%台、レベル4の高度情報処理技術者試験は10%台~20%台となっています。
試験に合格するメリット
情報処理技術者試験に合格することで、ITスキルを客観的に評価してもらうことができます。ITスキルを分野別に証明できるので、IT専門職から一般のITユーザーまで幅広く活用できます。
また、情報処理技術者試験は、就職や転職、キャリアアップにも役立ちます。企業や組織によっては、情報処理技術者試験の合格者を優遇する制度を設けているところもあります。
試験対策
情報処理技術者試験に合格するためには、試験の出題範囲を理解し、計画的に学習を進めることが重要です。過去問を解いたり、参考書を活用したりすることで、効率的に学習することができます。
まとめ
情報処理技術者試験は、ITエンジニアやITを利用するすべての社会人にとって、自身のスキルアップを図る上で重要な資格です。難易度は高いですが、しっかりと対策することで、合格を目指せる試験です。