システム監査技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一つで、情報システムの監査に関する専門知識とスキルを認定する試験です。企業や組織の情報システムが、適切に運用・管理されているかを評価し、問題点があれば改善を促す、システム監査の専門家を育成することを目的としています。
試験の難易度
システム監査技術者試験は、高度情報処理技術者試験に分類され、スキルレベル4と定義されています。情報処理技術者試験はスキルレベル1~4の4段階に分けられており、レベル4は最高レベルの試験です。合格率は例年14~16%程度で推移しており、難易度の高い試験と言えます。
試験内容
システム監査技術者試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つの試験で構成されています。
午前Ⅰ試験
- 試験時間:50分
- 問題数:30問
- 出題形式:多肢選択式(四肢択一)
- 出題範囲:テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系
- 合格基準:100点満点中60点以上
午前Ⅰ試験は、情報処理技術者試験の共通的な知識を問う試験です。応用情報技術者試験の午前試験と同等レベルの難易度となっています。
午前Ⅱ試験
- 試験時間:40分
- 問題数:25問
- 出題形式:多肢選択式(四肢択一)
- 出題範囲:システム監査、法務、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ、システム開発技術、サービスマネジメント、経営戦略マネジメント、企業活動
- 合格基準:100点満点中60点以上
午後Ⅰ試験
- 試験時間:90分
- 問題数:3問中2問を選択して解答
- 出題形式:記述式
- 出題範囲:情報処理システムの監査及び評価
- 合格基準:100点満点中60点以上
午後Ⅱ試験
- 試験時間:120分
- 問題数:2問中1問を選択して解答
- 出題形式:論述式
- 出題範囲:業務経験を踏まえた小論文
- 合格基準:A~Dの4段階評価で、A評価のみ合格
受験資格
システム監査技術者試験には受験資格は設けられていません。年齢、学歴、職歴などは一切問われません。
受験料
システム監査技術者試験の受験料は7,500円(税込)です。
試験日と試験会場
システム監査技術者試験は、例年10月の第2日曜日に実施されます。試験会場は全国各地に設けられています。
システム監査技術者試験対策におすすめの書籍
システム監査技術者試験は難易度が高い試験であるため、事前の準備が不可欠です。ここでは、試験対策におすすめの書籍をいくつか紹介します。
情報処理教科書 システム監査技術者
試験範囲全体を網羅しており、基礎から応用まで段階的に学習できます。豊富な図表や例題を用いて、わかりやすく解説しています。
ALL IN ONE パーフェクトマスター システム監査技術者
試験範囲全体を網羅しており、基礎から応用まで段階的に学習できます。
システム監査技術者 合格論文の書き方・事例集
午後Ⅱ試験の論述対策に特化した書籍。合格論文の書き方や構成、注意点などを詳しく解説しており、多数の合格論文の事例も掲載しています。
システム監査技術者「専門知識+午後問題」の重点対策
午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験の対策に特化した書籍。
システム監査技術者 総仕上げ問題集
直近の本試験問題を収録しており、試験本番を想定した実践的な対策ができます。詳細な解説も付いており、理解を深めるのに役立ちます。
まとめ
システム監査技術者試験は、情報システムの監査に関する専門知識とスキルを認定する国家試験です。難易度は高いですが、合格することで、情報システム監査の専門家として活躍することができます。ITエンジニアとしてキャリアアップを目指したい方、情報システム監査に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
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