ITストラテジスト試験の概要

IPA

ITストラテジスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一つです。情報システムを戦略的に活用し、企業の経営課題を解決できる人材を育成することを目的としています。ITストラテジストは、経営戦略、IT戦略、そして業務プロセスに関する深い知識を持ち、これらの知識を統合して、企業の競争力強化に貢献します。

試験の難易度

ITストラテジスト試験は、高度情報処理技術者試験に分類され、スキルレベル4と定義されています。合格率は例年14~15%程度で推移しており、難易度の高い試験と言えます。試験は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つの区分からなり、いずれも合格基準を満たす必要があります。特に、午後Ⅱ試験は論述式で、受験者の経験に基づいた解答が求められるため、難易度が高いと言われています。

試験内容

午前Ⅰ試験

  • 試験時間:50分
  • 問題数:30問
  • 出題形式:多肢選択式(四肢択一)
  • 出題範囲:テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系
  • 合格基準:100点満点中60点以上

午前Ⅰ試験は、情報処理技術者試験の共通的な知識を問う試験です。応用情報技術者試験の午前試験と同等レベルの難易度となっています。過去問と近い問題が多く出題される傾向にあります。

午前Ⅱ試験

  • 試験時間:40分
  • 問題数:25問
  • 出題形式:多肢選択式(四肢択一)
  • 出題範囲:セキュリティ、システム戦略、システム企画
  • 合格基準:100点満点中60点以上

午前Ⅱ試験は、ITストラテジスト試験の専門知識を問う試験です。

午後Ⅰ試験

  • 試験時間:90分
  • 問題数:4問中2問を選択
  • 出題形式:記述式
  • 出題範囲:中規模システムの設計・開発に関する問題
  • 合格基準:100点満点中60点以上

午後Ⅱ試験

  • 試験時間:120分
  • 問題数:3問中1問を選択
  • 出題形式:論述式
  • 出題範囲:大規模システムの設計・開発に関する問題
  • 合格基準:A~Dの4段階評価で、A評価のみ合格

受験資格

ITストラテジスト試験には受験資格は設けられていません。年齢、学歴、職歴などは一切問われません。

受験料

ITストラテジスト試験の受験料は7,500円(税込)です。

試験日と試験会場

ITストラテジスト試験は、例年4月中旬に実施されます。試験会場は全国各地に設けられています。

ITストラテジスト試験対策におすすめの書籍

ITストラテジスト試験は難易度が高い試験であるため、事前の準備が不可欠です。ここでは、試験対策におすすめの書籍をいくつか紹介します。

情報処理教科書 ITストラテジスト

試験範囲全体を網羅しており、基礎から応用まで段階的に学習できます。豊富な図表や例題を用いて、わかりやすく解説しています。

ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト

試験範囲全体を網羅しており、基礎から応用まで段階的に学習できます。ITと経営の両方の視点から解説されている点も特徴です。

ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集

午後Ⅱ試験の論述対策に特化した書籍。合格論文の書き方や構成、注意点などを詳しく解説しており、多数の合格論文の事例も掲載しています。

ITストラテジスト 究極の合格ルール

試験に合格するためのノウハウをまとめた書籍。時間配分や学習方法、モチベーション維持など、試験対策全般に関するアドバイスが得られます。

ITストラテジスト 午後2 最速の論文対策

午後Ⅱ試験の論述対策に特化した書籍。短期間で合格レベルの答案を作成するためのテクニックを解説しています。

まとめ

ITストラテジスト試験は、ITを活用して企業の経営課題を解決できる人材を育成するための国家試験です。難易度は高いですが、合格することで、ITストラテジストとしてのスキルを客観的に評価することができます。ITエンジニアとしてキャリアアップを目指したい方、経営戦略やIT戦略に興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。

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